新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国では、旧正月「春節」の連休が明けた3日、上海の株式市場の株価が大幅な値下がりとなったほか、企業活動の再開が多くの地域で延期され、景気の先行きに対する影響に懸念が広がっています。
中国では新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、死者は361人に上り、患者の数は1万7000人を超えています。
感染拡大を防ごうと、北京や上海、それに製造業が集積する広東省など中国の各地では3日、春節の連休が明けたあとも今月9日まで企業活動の停止や在宅勤務を求める措置がとられ、首都 北京の中心部のオフィス街も閑散とした状態が続いています。
連休明け最初の取り引きとなった上海の株式市場は、3日の取り引き開始直後から売り注文が膨らみ、代表的な株価指数である「総合指数」が連休前の先月23日の終値より一時およそ8.7%の大幅な下落となりました。
新型コロナウイルスの中国経済への影響を示す公式のデータは明らかにされていませんが、春節の連休期間中だけで小売業や飲食業の損害が1兆人民元以上(16兆円超)という試算も出され、感染拡大による影響がさらに広がる懸念も強まっています。
一方、感染拡大が最も深刻な湖北省武漢では、急きょ建設された専門の病院で患者の治療が始まり、およそ1000人の受け入れが可能となりましたが、湖北省では一日で2000人以上患者が増えていて、医師や医療物資が不足した状態が続いています。
-- NHK NEWS WEB