クルーズ船で新型コロナウイルスの感染確認が相次いでいる問題で、感染症予防の専門医などで作る学会の調査チームが11日、船内に入り、これ以上の感染拡大を防ぐため、船内環境の調査を行うことになりました。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、10日までに130人余りが新型コロナウイルスに感染していることが確認され、厚生労働省は、残る乗客と乗員、合わせておよそ3600人について、引き続き船内にとどまったうえで、原則として今月5日からの14日間は客室などでの待機を求めることにしています。
こうした中、感染症予防を専門とする医師や看護師などで作る日本環境感染学会は11日、クルーズ船の船内に調査チームを派遣することになりました。
調査チームは、災害時の避難所などで感染制御に取り組んできた専門家がメンバーで、船内にとどまっている人たちの生活環境や手の消毒など基本的な感染対策が適切に行われているかなどを調べるということです。
特に乗員については、相部屋での生活となっていることや船内を移動する機会も多いとみられることなどから、詳しく調査するということです。
学会では、調査結果をもとに船の運営会社や厚生労働省などと協議し、必要な予防策を助言するなどの支援を行うことにしています。
日本環境感染学会の吉田正樹理事長は「船内で集団感染が起きているのは間違いない。これ以上感染を広げず、重症患者を出さないために学会としてしっかりと支援していきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB