新型のコロナウイルスの感染拡大が続く中国では、経済への影響が懸念されるなか、習近平国家主席は「大規模なリストラを防ぐ必要がある」として、企業への支援とともに雇用対策にも力を入れる姿勢を強調しました。
中国では10日からほぼ半月ぶりに北京や上海などで企業活動が再開されましたが、感染を予防するために在宅勤務を続けるところもあり、本格的な再開にはまだ時間がかかる見通しです。
こうした中、国営の中国中央テレビは習近平国家主席が10日、北京で感染した患者を治療する医療施設などを視察したと伝えました。
習主席はマスク姿で医師らと会話を交わし、政府の幹部とも対応を協議したとしています。
このなかで習主席は、感染の防止対策を徹底したうえで経済への影響も極力抑える必要があるとして「企業の活動再開を促し、大きな影響を受けた企業には金融面でも支援しなければならない」と述べました。
さらに「雇用問題を注視し、大規模なリストラを防ぐ必要がある」として、雇用対策にも力を入れる姿勢を強調しました。
中国経済への影響が懸念されるなか、習主席としてはみずから企業と労働者への支援を訴えて、動揺を抑えたいという考えもあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB