アメリカ国防総省の新たなクラウド事業をめぐり、大手IT企業アマゾン・ドット・コムが、トランプ大統領の介入によって受注を逃したとしてアメリカ政府を訴えている裁判で、アマゾンは「関係者のやり取りの全体像を把握している唯一の人物だ」として、トランプ大統領の証言を求める書面を裁判所に提出しました。
アメリカ国防総省は去年10月、AI=人工知能を使って情報を共有する新たなクラウド事業をめぐり、当初、優勢とみられていた大手IT企業アマゾン・ドット・コムではなくマイクロソフトと契約を結ぶと発表し、アマゾンが、アメリカ政府を相手取って訴えを起こしています。
契約は最大で100億ドル、日本円で1兆円を超え、アマゾンは、トランプ大統領の介入によって受注を逃したと非難しています。
こうした中、アマゾンは10日までに「契約に至る関係者のやり取りの全体像を把握している唯一の人物だ」として、トランプ大統領の証言を求める書面を裁判所に提出しました。書面では、同時にマティス前国防長官やエスパー国防長官などの証言も求めています。
国防総省は、手続きは適正だったと反論していますが、アマゾンの経営トップ、ベゾスCEOは、トランプ大統領に批判的な有力紙ワシントン・ポストのオーナーでもあり、既存のメディアへの不信感を募らせる大統領による介入があったのか、裁判の行方に関心が集まっています。
-- NHK NEWS WEB