ドイツの大手自動車メーカー、フォルクスワーゲンがディーゼル車に不正なソフトウエアを搭載していた問題で、不正が行われた車を購入したドイツの消費者に対して、最大でおよそ990億円の補償金が支払われることになりました。
この問題は、ドイツの大手自動車メーカー、フォルクスワーゲンが排ガス規制を逃れるため、ディーゼル車に試験の時だけ有害物質の排出を低く抑える不正なソフトウエアを搭載していたもので、2015年に発覚したあと、ドイツの消費者40万人以上が損害賠償を求める集団訴訟を起こしていました。
これについてフォルクスワーゲンは14日、不正が行われた車を購入した消費者に対して、最大で8億3000万ユーロ、日本円にしておよそ990億円の補償金を支払うと発表しました。
フォルクスワーゲンによりますと、和解交渉を行っていた消費者団体が求めていた弁護士費用をめぐって、交渉自体は決裂したということですが、消費者に否定的な影響を与えるべきではないとして、今回の訴訟に参加していない消費者も含めて補償金を支払うとしています。
一方、消費者団体は「フォルクスワーゲン側に透明性のある、信頼できる補償の仕組みを実現しようとする用意がなかった」と批判しています。
この問題をめぐって、フォルクスワーゲンはこれまでに罰金やリコールなどで300億ユーロ余り、日本円で3兆5000億円以上支払っています。
-- NHK NEWS WEB