スペインの国王フェリペ6世の姉、クリスティーナ王女が脱税などに関与した罪に問われた裁判で、スペインの裁判所は、王女は脱税に関わっていなかったなどとして無罪を言い渡しました。
スペイン国王フェリペ6世の姉のクリスティーナ王女(51)は、夫と共同で経営していた企業の脱税に関わったとして、脱税などの罪で2014年12月、夫らとともに起訴されました。スペインのマヨルカ島の裁判所は17日、脱税を企てたのは夫で、クリスティーナ王女は関わっていなかったなどとして王女に無罪を言い渡しました。
一方、夫については脱税のほか、みずからが運営するNPOから公金を横領したなどとして、禁錮6年3か月を言い渡しました。また、王女に対しては、夫が得た不正な利益の恩恵を受けたとして、日本円で3200万円余りを納付するよう命じました。
クリスティーナ王女の弁護士は報道陣に対し、「王女は自分の判決に満足しているし、夫も無実であると信じている」と述べ、上訴の可能性も示唆しました。
1975年にスペインで王制が復活して以来、王室の一員が刑事事件の被告になったのは初めてで、判決が注目されていました。首都マドリードの市民からは「裁判所の判断は納得できる」という声がある一方、「夫がスケープゴートにされた」などと、判決に対しさまざまな意見が出ています。
-- NHK NEWS WEB