アメリカのエスパー国防長官とポンペイオ国務長官は訪問先のドイツで、中国の軍事的・経済的な脅威をそろって強調したうえで「国際社会は中国の挑戦に目覚めるべきだ」などと訴え、中国に対する結束を各国に呼びかけました。
ドイツで開かれているミュンヘン安全保障会議に出席したアメリカのエスパー国防長官は15日に演説し、最大の懸念として中国を挙げたうえで「中国は2035年までに軍の近代化を完了させ、2049年までにアジアを支配するねらいだ」と述べ、中国の軍事的な脅威を強調しました。
さらに「中国は習近平政権下で、誤った方向へと加速している。国際社会は中国の挑戦に目覚める必要がある」と述べ、中国に対する結束を各国に呼びかけました。
また、同じ会議に出席したポンペイオ国務長官も演説で「中国の通信機器大手ファーウェイは、中国政府が情報収集するためのトロイの木馬だ」と述べ、ファーウェイの危険性を改めて指摘しました。
しかし、ヨーロッパではアメリカの同盟国イギリスが次世代通信規格5Gの整備で、ファーウェイの機器の使用を部分的に認める方針を発表するなど、立場の違いが表面化しています。さらにヨーロッパでは、トランプ大統領が既存の国際秩序や同盟関係を軽視しているという懸念が根強く、中国に対する米欧同盟の結束を図りたいトランプ政権の閣僚の意向とは裏腹に、米欧関係は不透明感が強まっています。
-- NHK NEWS WEB