インターネットを使ったいわゆる「ネットいじめ」を防ごうと、アメリカで開発された匿名のいじめ通報アプリを奈良市の小学校が導入することになり、表面化しにくいネットいじめを早期に発見する新たな手段として注目されています。
このアプリはアメリカ・ニュージャージー州のIT企業が開発したもので、いじめの被害者やいじめを目撃した人がスマートフォンを使って匿名でメッセージや画像などを学校に通報できます。利用者は世界でおよそ300万人に上り、日本では、奈良市の帝塚山小学校が来年度から国内の小学校では初めて導入することになりました。
この学校は電車通学などのため携帯電話を持つ児童が多く、ネットいじめへの懸念が高まる中、導入を決めたということです。アプリはいたずらを防ぐため保護者が代わりに通報することにしていて、18日に開かれた保護者向けの説明会で、池田節校長は「できるだけ早くたくさんの情報を集めたい。子どもと保護者みんなで、学校を安全な場所にしたい」と話していました。
全国の小学校でのパソコンや携帯電話を使ったいじめの件数は、昨年度、2072件に上っています。このため、アプリは学校の目が届きにくいネットいじめへの対策として注目されているということです。
池田校長は「いじめは早期発見が大事だ。通報は匿名なので、周りで見ている子どもが声をあげてくれることを期待している」と話していました。
-- NHK NEWS WEB