大手建設会社の「前田建設工業」が、グループ会社の「前田道路」をTOB=株式の公開買い付けで子会社にしようとして、両社が激しく対立する異例の事態に新たな動きです。前田道路は20日、株主に通常の配当金とは別に、特別な配当金を払う方針を示し株式を売らないように働きかけを強めています。
発表によりますと前田道路は、株主に対して通常の配当とは別に、総額535億円、1株当たり650円の特別配当を実施する方針で、ことし4月に臨時の株主総会を開いて提案します。
通常の年間配当は1株当たり100円を計画しているため、特別配当は、その6倍以上に当たります。
前田道路をめぐっては大株主の前田建設工業が、過半数の株式を取得して子会社にしようと、TOB=株式の公開買い付けを実施していますが、会社側は逆に、資本関係の解消を提案し、グループ内で激しく対立する異例の事態になっています。
前田道路が特別な配当金を払えば、会社の資産が大きく減ってしまうことになりますが、株式を売らないように株主に働きかけ、前田建設工業に子会社化を諦めさせるねらいがあります。
ともに前田の名前がつく同じグループの企業どうしが対立する異例の事態がこのあと、どのような展開になるのか当面、不透明な状況が続きそうです。
-- NHK NEWS WEB