新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、日本の自動車メーカーは中国の工場の生産を徐々に再開させていますが、武漢など湖北省にある工場は生産できない状況が1か月以上に及ぶことになり、影響が長期化しています。
武漢は中国有数の自動車産業の都市で、ジェトロ=日本貿易振興機構によりますと、武漢とその周辺にはおよそ160の日本企業が進出し、その半数が自動車関連のメーカーです。
しかし、感染が深刻な武漢がある湖北省の地方政府は企業活動の再開を来月11日まで延期するよう通知を出しました。
これを受けて、ホンダは武漢にある工場で今週中を予定していた生産再開を先延ばしし、来月11日以降、できるだけ早く再開するとしています。
日産も24日以降としていた襄陽にある工場の生産再開の時期について、「部品の調達状況などを見ながら判断する」としています。
これらの工場は、当初、春節の大型連休が明ける今月上旬から生産を再開する予定でしたが、感染拡大によって生産の停止が1か月以上に及ぶことになります。
また、日野自動車は湖北省にある取り引き先からの部品調達のめどが立たなくなったため、広州にあるトラックの工場で今週、予定していた生産再開を延期し、具体的な時期は改めて検討するとしています。
ほかの地域の自動車メーカーの工場では今月17日以降、再開の動きが広がっていますが、各社とも部品の調達状況などをみながら生産していて、本格的な生産にはなっていません。
さらに、武漢などにある部品メーカーから日本に輸入していた部品もあることから、こうした状態が続けば、日本国内の生産にも影響が及ぶおそれがあります。
-- NHK NEWS WEB