アメリカのトランプ大統領は、日本時間の27日午前、新型コロナウイルスについて、記者会見を開き、政権を挙げて対応していく考えを強調しました。株価の記録的な値下がりが続く中、経済の成果を強調したいトランプ大統領としては、経済や社会への影響は、最小限にとどめたいねらいがあるとみられます。
トランプ大統領は26日、日本時間の27日午前、ホワイトハウスで新型コロナウイルスへの対応について、記者会見を開きました。
トランプ大統領は、この中で、ペンス副大統領を責任者とする対策本部を設け、アメリカ厚生省やCDC=疾病対策センターなどの関係機関が連携して対策にあたることを発表し、政権を挙げて対応していく考えを強調しました。
そして、感染予防などの対策費として議会の承認を経て、25億ドル、日本円で2700億円規模の緊急の予算措置を行う方針を示したうえで「議会がもっと出すというのなら必要なだけ使う」と述べ、今後の状況に応じて予算を増額する方針を示唆しました。
記者会見で、トランプ大統領は、この夏の東京オリンピック・パラリンピックについて、「日本でも感染している人が多いことは知っているが、適切な対応をしている。会場を建設するために巨額の投資をしており、安倍総理大臣もそれを誇りに思っている。実施できることを祈っている」と述べました。
新型コロナウイルスの感染が中国以外でも拡大していることをうけてニューヨーク株式市場では今週、株価が記録的に値下がりし、動揺が続いています。
秋の大統領選挙での再選を目指して、経済面の成果をアピールしてきたトランプ大統領としては、今回、記者会見を開くことで、国民の不安を和らげると共に、株価のさらなる下落など、経済や社会への影響を最小限にとどめたいねらいがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB