トランプ大統領が就任してから1か月間でニューヨーク株式市場の株価は経済政策への期待感から大きく値上がりしており、市場関係者からは先行きに対して強気な声が多く聞かれます。
このうちアメリカの主要企業30社で構成するダウ平均株価は、先月25日に初めて2万ドルの大台を突破しました。その後、トランプ大統領が7か国の人の入国を一時禁止する大統領令に署名し、世界的に反発が広がると、先行きへの不透明感から、ダウ平均株価が2日続けて100ドル以上値下がりする場面もありました。
しかし、今月9日、トランプ大統領が法人税の減税など大規模な税制改革案を近く公表すると述べたことをきっかけに、政策が実行されることへの期待感から株価は再び上昇し、ダウ平均株価は17日まで7営業日連続で最高値を更新しています。
この1か月間でダウ平均株価は891ドル、率にして4.5%上昇しました。
企業別で見ますと上昇率が最も高いのがアップルの14%、次いでシスコシステムズの12%で、上位はIT関連が占めています。
また、航空機メーカーのボーイングが10%で続き、規制緩和やインフラ投資など政策の直接的な恩恵が期待できるとされてきた金融や建設関連以外の業種も株価は上昇しています。
先行きについてアメリカの証券会社キャンター・フィッツジェラルドのストラテジスト、ピーター・チェッキーニさんは「特にトランプ大統領の税制改革が企業業績を押し上げ、経済を成長させるとして投資家は興奮している。しかし、本当の課題は税制改革やインフラ投資が本当に実行されるのかということだ」と述べ、トランプ政権が政策を実現できるかどうかに市場の関心が移っていくという見方を示しています。
-- NHK NEWS WEB