アメリカ大統領選挙で野党・民主党の候補者指名を目指していた中道派のブルームバーグ前ニューヨーク市長が4日、選挙戦からの撤退を表明しました。ブルームバーグ氏は、全米14州が一斉に予備選挙を行った3日のスーパーチューズデーから候補者選びに参戦したばかりでした。
ブルームバーグ氏はアメリカ東部マサチューセッツ州出身の78歳。金融情報を提供する「ブルームバーグ」社を1981年に創業し、一代で大手メディアに成長させ、2002年からは12年にわたりニューヨーク市長を務めました。
民主党の候補者選びでは序盤の4州を捨てて、3日のスーパーチューズデーから本格的に参戦する異例の選挙戦を展開し、注目を集めましたが、4日朝、声明を発表し、撤退を表明しました。
その後、ブルームバーグ氏はニューヨーク市で演説し「スーパーチューズデーの結果を受けて、候補者指名を獲得する見込みがもはやなくなった」として、撤退する意向を改めて示したうえで、「トランプ大統領を倒すという人生で最も大事な戦いからは離れることはない。バイデン氏を次の大統領にするために一緒にとりくもう」として、中道派のバイデン氏への支持を呼びかけました。
ブルームバーグ氏は中道派の候補者として、銃規制や温暖化対策の推進といった政策のほか、ニューヨーク市長を務めた政治経験をアピールし、支持を訴えてきました。しかし、300億円以上と言われる資金を投じてテレビやインターネットで広告を流すことを選挙戦略の柱とし「金で選挙を買うのか」といった批判の声も高まっていました。
中道派のあいだでは、ブティジェッジ前サウスベンド市長など撤退した候補者が相次いでバイデン氏への支持を表明し、候補者を一本化する動きが加速するなか、ブルームバーグ氏はスーパーチューズデーでは14州で1勝もあげられず、厳しい状況に立たされていました。
-- NHK NEWS WEB