経団連の榊原会長は、経営再建中の東芝が主力の半導体事業を分社化して株式の過半数の売却も検討していることについて、「トップレベルの技術や人材が国外に流出するのは問題だ」として、産業界を挙げた対応が必要だという認識を示しました。
東芝は、アメリカの原子力事業で7000億円を超える損失を計上する見通しで、財務を改善するため、主力の半導体事業を分社化し、その新会社の株式の過半数を売却して、経営の主導権を明け渡すことも検討しています。
これについて、経団連の榊原会長は20日の記者会見で、「東芝は、経団連の会長や日本商工会議所の会頭を輩出した名門中の名門で、再出発を期待していたのに正直、残念だ」と述べました。そのうえで、「東芝の半導体事業は、日本の最重要技術の1つで、事業に携わっているトップレベルの人材や技術が国外に流出するのは問題だ」と述べ、株式が外資系の企業に売却された場合の日本の産業競争力への影響に懸念を示しました。
さらに、榊原会長は「具体的な段階ではないが、日本の安全や国益を考えると、産業界としての対応が必要だ」と述べ、東芝の半導体技術が海外に流出することを防ぐため、産業界を挙げた対応が必要だという認識を示しました。
-- NHK NEWS WEB