新型コロナウイルスの感染が80余りの国や地域に広がり、移動を制限したり、外出を控えたりする動きが広がる中、感染拡大の前とあとでは世界各地の街の様子に大きな変化があることが、上空から撮影された衛星画像で明らかになりました。
この画像はアメリカの衛星会社「マクサー・テクノロジーズ」が撮影したものです。
このうち、新型コロナウイルスの感染者が最初に確認された中国 武漢にある道路の料金所の上空から、去年10月に撮影された画像では、多数の車が列をなす様子を確認できます。
ところが先月下旬に撮影された画像では、車の列は確認できません。
また、同じ武漢にある道路の様子を先月下旬に捉えた画像からは、去年10月の時点と比べ、道路上の車の数が激減していることがわかります。
一方、武漢にある鉄道施設では、去年10月の時点で停車中の列車がほとんどありませんでしたが、ことし2月下旬の画像では多数の列車が停車している様子を確認できました。
さらに武漢では、重症患者を中心に受け入れている「火神山病院」が突貫工事で建設されましたが、上空からの画像では、真新しい青色の屋根の建物が並んでいる様子を確認することができます。
また、北京にある天安門広場は、去年2月の時点では多くの人影が見られましたが、先月中旬に撮影された画像では、人影はほとんど見られなくなりました。
一方、3500人以上の感染者が確認されているイランでは、中部のコム州にあるイスラム教の施設を訪れる人の数が、去年9月の時点と比べ、今月は大きく減ったことが確認できます。
また、5人の感染者が確認されているサウジアラビアでは、西部にあるイスラム教の聖地メッカのカーバ神殿を訪れる人の数が大幅に減っていることが確認できます。
サウジアラビア外務省は先月27日、メッカを訪れる外国人のイスラム教徒に対し、一時的に入国を認めない措置をとると発表しました。
写真を撮影したマクサー・テクノロジーズによりますと、画像の多くは、それぞれの撮影地点での午前11時前後に撮影されたということです。
-- NHK NEWS WEB