食品大手の「味の素」は、手当の出る残業時間を削減し、働き方改革を進めようと、社員全員の1か月の基本給を一律1万円引き上げることで、労働組合側と合意したことを明らかにしました。
味の素は、1日の所定労働時間をことし4月から20分短縮して7時間15分にするなど、長時間労働の是正に取り組んでいますが、労働組合側は「手当の出る残業時間を減らすためには、基本給を引き上げてほしい」と要求していました。
これについて、会社側は労働組合に対して満額で回答し、ことし4月から管理職を含む社員全員およそ4000人の基本給を、1万円と大幅に引き上げることで合意したということです。
会社側では、基本給の引き上げの原資を捻出するため、「家族手当」などの手当の見直しを行うということで、一部では手当が減るケースもあるということです。
また、当初の予定を2年前倒しにして、来年4月から所定労働時間を1日7時間に一段と短縮することでも合意しました。
ことしの春闘では、賃上げに加えて長時間労働の是正などが焦点となっていて、味の素の働き方改革を進めて、残業時間を減らすために基本給を引き上げる取り組みは注目を集めそうです。
-- NHK NEWS WEB