新型コロナウイルスの感染拡大で、北海道内の観光業界は大きな打撃を受けています。キャンセルが相次ぐ札幌市の温泉地のホテルでは、宿泊料を最大で3割値下げするなど切実な対応を迫られています。
このうち、札幌市の定山渓温泉にあるホテルでは、新型コロナウイルスの感染拡大で、先月上旬から宿泊予約のキャンセルが相次ぎました。
中国人観光客に加えて国内客からのキャンセルも増えて、件数はおよそ5000件に上り、例年この時期に80%を超えている稼働率が30%ほどまでに落ち込みました。
先月の売り上げも前年に比べて4割ほど減少したため、勤務にあたるスタッフを3分の1に減らしました。
ホテルでは少しでも稼働率を上げようと、平日、2割から3割値下げするプランを始めました。
周知のため、先月から幹部職員みずから札幌市や近郊の住宅や企業を回って、案内のチラシ4000枚を配布しました。
予約は徐々に戻っているということですが、それでも先行きには不安を抱えています。
「定山渓ホテル」営業販売部の佐藤元昭次長は「だめだだめだと言ってもいられない。予約してもらっている客が1人でもいれば、清掃や消毒を通常の3倍かけてでも、おもてなしをして必死に努力したい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB