「共謀罪」の構成要件を厳しくして「テロ等準備罪」を新設する法案をめぐり、法務省が、処罰に必要な「準備行為」の具体例として資金の手配や関係場所の下見などを条文に明記する方針を固めたことがわかりました。
法務省は、「テロ等準備罪」を適用して処罰するためには、テロ組織などの「組織的犯罪集団」が重大な犯罪を計画したうえで「準備行為」を実行することが必要だとしていますが、「恣意的(しいてき)に運用されかねない」と指摘されています。
このため法務省は準備行為の具体例を、「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法の改正案に明記する方針を固めたもので、犯罪を計画したメンバーのうちの誰かが、資金または物品の手配、関係場所の下見などの、犯罪を実行するための行為を行った場合としています。
また、これまでの調整では殺人など法定刑の上限が10年を超える懲役・禁錮の犯罪について、実行前の段階で「テロ等準備罪」を適用して処罰する場合、5年以下の懲役・禁錮の刑を科すなどとしています。
一方、金田法務大臣は閣議の後の記者会見で、企業や労働組合などの通常の団体であっても、犯罪行為を反復・継続するなど活動が一変した場合には処罰対象になり得るとしていることをめぐって、通常の団体が、重大な犯罪を1回行うことで合意しただけでは、組織的犯罪集団と見なすことにはならないという認識を示しました。
-- NHK NEWS WEB