新型コロナウイルスの感染拡大に伴う観光客の減少で、札幌市の観光バス会社が先月末で、8人の運転手のうち7人を解雇したことが分かりました。会社は「先が全く見えない中、苦渋の決断だった」と話しています。
札幌市清田区にある観光バス会社は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う観光客の減少でキャンセルが相次ぎ、先月末で、8人の運転手のうちアルバイトを含めた7人を解雇しました。
この会社は4年前から中国や韓国などの観光客向けにツアーバスを運行していて、好調なインバウンド需要を取り込み、年間を通してほとんど休みなく稼働していました。
しかし、中国で新型コロナウイルスの感染が拡大した1月下旬からキャンセルが相次ぎ、最終的に今月以降の予約がゼロになってしまったということです。
会社は労働局に雇用の助成金などについて相談したということですが、助成を受けてもこのままでは経営を維持できないと判断し、解雇に踏み切ったとしています。
車検や保険の費用を削減するため、9台の大型バスのうち、事業を継続するために必要な5台を残して、他のバスは貸し切りバスの登録を取り消す手続きをとったということです。
会社の担当者は「何とか耐え抜きたいと思っていたが、先が全く見通せない中、苦渋の決断だった」と話していました。
-- NHK NEWS WEB