関西電力の経営幹部らが福井県高浜町の元助役から金品を受け取っていた問題で、調査を行った第三者委員会は最終報告書をまとめました。金品を受け取っていた社員は75人と、これまでに公表された数から大幅に増え、金品の総額は3億6000万円相当に上るということです。
関西電力は、経営幹部ら23人が原子力発電所がある高浜町の森山栄治元助役から3億2000万円相当の金品を受け取っていたことを去年秋に明らかにしています。
この問題を調査してきた弁護士4人で構成する第三者委員会は最終報告書をまとめ、14日公表しました。
この中で、金品を受け取っていた社員の数は75人と、会社が去年秋に公表した23人より大幅に増えました。金品の総額は、3億6000万円相当に上るということです。
また元助役に対して、関西電力の役員や社員が工事を発注する前に工事の内容や発注予定額を伝えたうえで、約束に沿って発注するなど特別な配慮をしてきたとして、便宜を図っていたことを認定しました。
一方、元助役が金品を提供したのはその見返りとして、自分の関係する企業に関西電力から工事を発注させて経済的利益を得るためだったと分析しました。
第三者委員会の但木敬一弁護士は、記者会見で「電力の利用者から、自分たちの行為がどうみえるのか全く考えていないことが、構造を長引かせた1つの原因だ」と述べ、会社の体質を批判しました。
この調査結果を受けて、関西電力は岩根茂樹社長が14日開いた臨時の取締役会で辞任し、森本孝副社長が後任の社長に昇格する人事も合わせて公表しました。
-- NHK NEWS WEB