大手電機メーカーのソニーは、世界で初めて商品化に成功し、パソコンなどに使われるリチウムイオン電池の事業について、大手電子部品メーカーの村田製作所に売却することを正式に決めたと発表しました。
繰り返し充電することができるリチウムイオン電池は今日ではパソコンや携帯電話、さらには電気自動車など幅広い製品に使われています。
ソニーは早くから開発に取り組み、1991年に世界で初めて商品化に成功して業界をリードしてきました。しかし、その後、韓国メーカーをはじめとする海外メーカーとの激しい開発競争に巻き込まれ、最近は業績の低迷が続いていました。
このためソニーは、これまで協議を続けてきた村田製作所にリチウム電池事業を正式に売却することを決めたと発表しました。
売却は来年4月上旬を目指すということで、金額はおよそ175億円、国内の子会社や研究開発拠点、中国とシンガポールの工場などすべての資産を売却します。また、これに伴っておよそ8500人いる従業員も村田製作所に移る計画です。
一方、村田製作所は、リチウム電池事業を活用して新たな成長分野として位置づけているエネルギー事業の強化を進めていく方針です。
-- NHK NEWS WEB