フィリピンのドゥテルテ大統領は、新型コロナウイルスへの対策を強化し、首都マニラがあるルソン島全域で来月12日まで住民の移動などを制限すると発表し、市民生活や経済のさらなる混乱が懸念されています。
ドゥテルテ大統領は16日夜、新型コロナウイルス対策について「感染の拡大を防ぐためにさらに厳格な措置を取る」と述べ、来月12日まで、マニラがあるルソン島全域で医療や人道支援の関係者などを除く人の移動を制限し、できるかぎり自宅で待機するよう求めました。
そのうえで、ルソン島の各自治体に対して、食料を住民に届ける態勢を整えるよう指示したほか、企業に対して営業を見合わせ、従業員は在宅勤務にするよう呼びかけました。
WHO=世界保健機関によりますと、フィリピンではこれまで111人が新型コロナウイルスに感染し、6人が死亡していて、ドゥテルテ大統領は非常事態宣言を出すとともに、今月15日からマニラの人と物資の出入りを禁止することを突然発表し、市民が物資を確保しようとスーパーに詰めかけたり渋滞が起きたりするなど、大きな混乱が起きています。
ルソン島の人口はおよそ5700万人とマニラの4倍余りに上ることから、今回の移動制限の拡大によって経済や市民生活の混乱が広がることが懸念されています。
-- NHK NEWS WEB