ヨーロッパでは新型コロナウイルスの影響で人の移動を制限する国が相次ぎ、航空会社は運航便のほとんどを取りやめる事態に追い込まれています。
ヨーロッパはWHO=世界保健機関が新型コロナウイルスの「世界的な大流行の中心」とし、ドイツが16日から出入国を厳しく制限する措置を始めたほか、チェコやデンマークなどは外国人の入国を原則として禁止しています。
さらに、アメリカがヨーロッパからの入国を停止したことなどもあり、航空便の乗客は極端に少ない状況が続いていて、ヨーロッパを拠点にする航空会社はほとんどの便の運航を取りやめざるをえない事態に追い込まれています。
ドイツのルフトハンザ航空のグループは傘下のオーストリア航空が今月19日から28日まですべての便の運航を取りやめるなど、長距離便の90%と近距離便の80%を減らすと発表しました。
また、
▽エールフランスとKLMオランダ航空のグループは最大90%、
▽イギリスのブリティッシュエアウェイズやスペインのイベリア航空などのグループは75%以上の便を減らすとしています。
こうした中、パイロットや乗務員などの雇用に影響が出ていて、スカンジナビア航空は最大で1万人、ノルウェーエアシャトルも7300人以上と、いずれも全体の9割にあたる従業員を一時的に解雇するとしています。
運航の取りやめが長引けば経営が行き詰まる会社も出てくるという見方もあり、各国政府の航空各社への支援策が焦点となります。
-- NHK NEWS WEB