アメリカのトランプ大統領が、新型コロナウイルスのワクチン開発を進めるドイツの企業に多額の資金を提供する見返りに、アメリカにワクチンを優先的に提供するよう求めていたとドイツのメディアが伝えました。ドイツの外相は「独占は許されない」などと批判したのに対し、アメリカのドイツ駐在大使は「報道は間違っている」と否定しました。
これはドイツの新聞、ウェルトの日曜版が15日、ドイツ政府当局者の話として伝えました。
それによりますと、トランプ大統領が、新型コロナウイルスのワクチンの開発を進めるドイツの企業「キュアバック」に10億ドル(およそ1080億円)を支払う見返りに、ワクチンの権利を独占しようとしていたということです。
ウェルトはドイツ政府当局者が「トランプ大統領はアメリカのためだけにワクチンを確保しようとしている」と述べたとしています。
これについて「キュアバック」は15日、「コメントは控える」としながらも「会社や技術を売却することはない」と強調しました。
またドイツのマース外相は16日、ツイッターで「研究成果の独占は許されない。新型コロナウイルスには、対立ではなく協調することでしか打ち勝つことはできない」と批判しました。
一方、アメリカのグレネル駐ドイツ大使はツイッターで「報道は間違っている」と否定しています。
-- NHK NEWS WEB