新型コロナウイルスの「世界的な大流行の中心」とされるヨーロッパでは、移動や外出を制限する措置が各国に広がり、現地の日本人の暮らしにも影響が出ています。
およそ4万人の日本人が住むフランスでは、レストランなどの営業停止に続いて17日正午、日本時間の17日夜8時から、全土で外出を制限し、違反すると罰金を科す厳しい措置が始まりました。
パリ市内にある日本の食材を扱う店には、現地で暮らす日本人が次々と訪れていました。
感染を予防するため、一度に店内に入れる人の数が制限されていて、店の外で待つ人は1メートルほどの間隔をあけて並んでいました。
パリ近郊に住む70歳の日本人男性は、「ふだん週1回はこの店に来ていますが、病気がはやっていて、なかなかパリには来づらくなるのできょうは多めに買います」と話していました。
また、別の70歳の日本人男性は、「フランスに40年くらい住んでいますが、デモで交通機関がストップすることはあっても、レストランがすべて営業を停止するのは初めてです。テニスコートは閉まっているし、公園も門を閉ざしていて、のんびり過ごすこともできません」と話していました。
ただ、冷静に受け止めている人も多く、パリに15年ほど暮らしている47歳の女性は、「お茶の関係の仕事をしていて、会社からは指示があるまで家にいてくださいと言われています。封じ込めはいいことだと思います」と話していました。
一方、日系企業およそ1000社が進出しているイギリスでは、政府ができるだけ在宅で勤務をするよう呼びかけていて、日本人駐在員の間では自宅で仕事をする動きが広がっています。
また、ドイツ西部のデュッセルドルフにある日本商工会議所によりますと、日系企業の間では在宅勤務が広がっているほか、国内を含めた出張や少人数での会食を自粛したり、駐在員の家族の帰国を検討したりする企業が増えてきているということです。
-- NHK NEWS WEB