日銀の黒田総裁は、18日の参議院の財政金融委員会で、金融緩和の一環で市場から大量に買い入れたETF=上場投資信託について、このところの株価の急落で含み損が2兆円から3兆円の規模に膨らんでいるという試算を明らかにしました。
日銀は16日、新型コロナウイルスの感染拡大による景気の悪化を食い止めるため、追加の金融緩和に踏み切り、多くの株式をまとめて作るETF=上場投資信託の年間の買い入れを倍増させることを決めました。
日銀の先月末までのETFの買い入れは、総額で28兆8000億円余りにのぼりますが、黒田総裁は、このところの株価の急落で買い入れたときよりも価格が下がり、含み損が2兆円から3兆円の規模に膨らんでいるという試算を明らかにしました。
そのうえで「ETFの買い入れは株価を支えるというオペレーションではなく、あくまで金融市場の不安定な動きを抑え企業や家計の心理の悪化を防止することが目的だ。
そういう意味で、一定の効果を持っている」と述べ、市場の動揺を抑えるため積極的にETFの買い入れを続ける考えを示しました。
黒田総裁は、今月10日、日経平均株価が1万9500円程度になると、日銀が含み損を抱えるという目安を明らかにしています。
-- NHK NEWS WEB