新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにした金融市場の混乱が、私たちの年金に影響しています。世界的な株価の下落で株式などで運用されている企業年金の利回りが悪化していることがわかりました。
年金運用のコンサルティング会社「格付投資情報センター」は、大手企業を中心におよそ100社に、運用のアドバイスをしています。
会社の推計によりますと、アドバイスをしている100社の去年4月からの年金の運用利回りは、去年12月30日の時点では平均でプラス3.81%でした。
当時、日経平均株価は2万3600円余りでした。
しかし、日経平均株価が1万6700円余りまで値下がりした18日時点の運用利回りは、平均でマイナス3.97%になりました。
いわゆるリーマン・ショックで株価が暴落した2008年度の利回りは、マイナス15.85%に達しました。
その後、企業年金の運用は株式以外への分散投資が進んだことから、年金への影響は当時より抑えられているということです。
ただ、市場の混乱がさらに続き、株式のほかにも債券など幅広い金融商品が値下がりしていけば、利回りの確保がさらに難しい状況になるのではないかとみています。
-- NHK NEWS WEB