日銀が新型コロナウイルスの感染拡大で動揺する金融市場への警戒を強めています。株価の急落が続く中、日銀はETF=上場投資信託の買い入れを増やしていますが19日、過去最大となる2000億円余りを1日で買い入れました。
日銀は金融緩和の一環で多くの株式をまとめてつくるETF=上場投資信託を買い入れてきましたが、金融市場の激しい動揺を抑えるため今月16日に開いた金融政策決定会合で、ETFの買い入れ額をこれまでの年間6兆円から当面12兆円に増やす追加の緩和策を決めました。
これを受けて今月17日に1200億円余りのETFを買ったのに続いて、19日、1日の購入額としては過去最大の2016億円を買い入れ、市場の不安定な動きを抑え込もうとしています。
日銀が買い入れた額は今月だけですでに9300億円余りにのぼっています。
また、海外投資家などが不測の事態に備えて手元の現金を増やしておきたいと、株式などに加えて日本国債を売る動きが広がり、債券市場がやや不安定になっているとして日銀は19日、金融機関から臨時で1兆3000億円余りの国債の買い入れも行いました。
日銀は買い入れに合わせて「年度末を控えた市場の安定維持に万全を期す」という異例のコメントを出し、動揺する金融市場への警戒を強めています。
-- NHK NEWS WEB