新型コロナウイルスの感染がヨーロッパで急速に広がる中、中国は関係の深いイタリアやセルビアなどへの医療支援の動きを加速させています。
中国は近年、巨大経済圏構想「一帯一路」を通じて、ヨーロッパ各国との関係を深めていて、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、こうした国々を支援する活動に乗り出しています。
このうちセルビアでは21日夜、ブチッチ大統領が出迎える中、首都ベオグラードの空港に中国からのチャーター便が到着し、医療専門家とともに人工呼吸器や20万枚のマスクが届けられました。
セルビアでは15日に、非常事態宣言を出した際、ブチッチ大統領は「ヨーロッパの連帯は存在しない。紙に書かれたおとぎ話にすぎない。われわれは中国抜きではみずからを守ることもできない」と述べ、中国に支援を求めていました。
また、中国企業が国内最大の港を整備しているギリシャでも21日、中国企業から寄付された50万枚のマスクが届けられ、病院などへ提供されるということです。
このほかG7・主要7か国の中で初めて一帯一路の協力の覚書を交わしているイタリアには19日、医師や看護師などで構成される第2陣の支援隊が到着し、医療活動にあたるということです。
中国はスペインやフランス、チェコなどにも医療物資を送る動きをみせていて、新型コロナウイルスの感染が拡大するヨーロッパで医療支援を通じて関係をさらに強化するねらいがあるものとみられます。
-- NHK NEWS WEB