東京都議会の定例会が開会し、小池知事は施政方針で、東京オリンピック・パラリンピックの費用負担をめぐり、「仮設の整備については、ほかの自治体が所有する施設を含め、都も負担することを排除せず検討する」と述べ、当初、組織委員会が全額負担することになっていた都内や都以外の仮設施設の整備費用について、負担を受け入れる考えを表明しました。
東京都議会のことし初めての定例会が22日に開会し、午後の本会議で、小池知事が、ことし1年の都政運営の方針となる施政方針を明らかにしました。
この中で、小池知事は、3年後の東京大会の整備・運営費について、「組織委員会や国、関係自治体との連携を密にしっかりと対応していく。関係自治体との作業チームでは、仮設施設に加え、輸送や警備などで膨大な業務があることが明らかになりつつある」と述べました。
そのうえで、「都は、開催都市としての責任を重く受け止め、真摯(しんし)に協議を続けていくが、組織委員会が負担することになっている仮設の整備については、ほかの自治体が所有する施設を含め、都も負担することを排除せず検討するよう事務方に指示した」と述べ、規模は今後調整するものの、都内や都以外の自治体の仮設施設について、整備費用の負担を受け入れる考えを表明しました。
一方、豊洲市場の問題では、地下水のモニタリング調査で最大で環境基準の79倍のベンゼンなどが検出されたことについて、「大変重く受け止めている。改めて複数の機関による調査を実施し、科学的な分析を進めて、実態を正確に把握する」としました。
そして、「安全が科学的、法律的な根拠に基づくものである一方、安心は消費者の理解と納得によるものであり、都民の判断に資する情報公開を進める」としたうえで、豊洲市場への移転については、「専門家会議などの議論を踏まえ、市場の持続可能性もきちんと検討する」と述べ、安全性の確保と都民の理解を踏まえ、総合的に判断する考えを示しました。
このほか、小池知事は、文部科学省の組織的な天下りの問題を受けて、都の幹部職員の再就職について、外郭団体の在り方と合わせて検証するほか、満員電車の混雑緩和のため、国や民間企業との協議会を立ち上げる考えを明らかにしました。
都議会の定例会は来月30日までの37日間の日程で開かれ、小池知事が初めて編成した新年度予算案などが審議されます。
-- NHK NEWS WEB