新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、国内の旅行会社の間では、すべての海外向けのツアーを中止する動きが広がっていて、異例の事態となっています。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、外務省は、海外の治安情勢などを考慮して出している「危険情報」について、世界全体を対象に不要不急の渡航をやめるよう求める「レベル2」に引き上げました。
国内の旅行会社は、すでに中国や韓国のほか、ヨーロッパやアメリカなど幅広い方面のツアーを中止していますが、外務省の措置を受けて、募集を続けていた東南アジアの一部のツアーも含めて、すべて中止する動きが広がっています。
このうち、JTBは少なくとも来月末の出発分まで、すべての海外向けツアーの中止を決めました。
また、エイチ・アイ・エスは少なくとも来月26日出発分まで、近畿日本ツーリストも少なくとも来月20日出発分まで、すべての海外向けのツアーを中止します。
行き先によっては、さらに長い期間、中止する国や地域もあるということです。
各社は、2001年に起きたアメリカの同時多発テロや、2003年にアジア各地で「SARS」の感染が拡大した際に一部のツアーは中止したものの、すべての海外旅行を中止するのは異例だとしています。
各社は、ツアーの再開の時期については、外務省が出す情報などを踏まえて判断するとしています。
-- NHK NEWS WEB