国内でサービスが始まった高速・大容量の新しい通信 5Gを医療や介護の現場で活用しようという実証実験が進められています。
5Gの電波の活用には産業界も期待を寄せていて、このうち損害保険大手 SOMPOホールディングスは、運営する介護施設で、手間のかかる食事の管理に使おうとしています。
高齢者が食堂に移動する際にカメラで顔認証し、一人ひとりの健康状態にあった食事の内容を瞬時に調理室に送ったり、食事の前後の写真を撮影して食べた量を自動で記録したりするシステムを作りたい考えです。
高速で遅延がほとんどない5Gの活用で顔認証の精度などを高められるということで、会社が運営する研究所の片岡眞一郎所長は「介護現場では人手不足を先端技術で解決することが不可欠で、車いすの自動運転なども検討したい」と話しています。
東京女子医科大学は、5Gの通信機能を備えたトラックの中で、遠隔地にいる医師の診断や手術のサポートが受けられる環境を整備しようとしています。
専門医がいなくても内視鏡の画像を送って正確な診断を受けられるようなシステムの構築を目指していて、東京女子医科大学の村垣善浩教授は「新型コロナウイルスの影響もあって、遠隔で人と接するということが医療業界でも加速していくだろう。5Gを使って多くのことにチャレンジしていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB