家族などのレンタルサービスを行う会社を取り上げたNHK国際放送の番組で、利用客として紹介した人物が実際は会社のスタッフだったことについて、BPO=「放送倫理・番組向上機構」は、十分なチェック体制を構築していなかったなどとして放送倫理違反があったと結論づけました。
この番組はNHK国際放送のドキュメンタリー番組「Inside Lens」で、おととし11月、家族などのレンタルサービスを行う会社を取り上げた際、利用客として紹介した人物が実際は会社のスタッフでした。
NHKは去年5月、事実と異なる内容を伝えたとして謝罪し、BPOの放送倫理検証委員会が問題がなかったかどうか審議していました。
BPOは31日、意見書を公表し、制作したフリーのディレクターの確認作業がおろそかだったとしたうえで、NHKは「番組の試写で疑問を感じていたのに本物の利用者だと誤認していた制作側の簡単な説明で納得し、番組内容を是正する重要な機会を逸した」などと指摘しました。
そして「放送責任を負う立場にありながら十分なチェック体制を構築していなかったと言わざるをえない」などとして放送倫理違反があったと結論づけました。
NHKは「BPOの指摘を真摯(しんし)に受け止め、引き続き、再発防止を徹底してまいります」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB