新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく「緊急事態宣言」について、NHKの「日曜討論」で加藤厚生労働大臣は、経済や社会への影響を最小限に抑えることも考慮すべきだと指摘しました。一方、東京都の小池知事は、より踏み込んだ感染拡大防止策が必要だとして国の早急な決断を求めました。
新型コロナウイルス対策の特別措置法を担当する西村経済再生担当大臣は、法律に基づく緊急事態宣言について、「非常に緊迫している状況だ。宣言をちゅうちょしているわけではなく、オーバーシュート=爆発的な感染拡大の兆しが見えるかや、医療がひっ迫しているということも大きな要素であり、専門家の意見を聴きながら適切に判断していく。国民の命を守るのが最優先であり、必要な時はちゅうちょなく判断していきたい」と述べました。
また、7日にも決定する緊急経済対策について「本当に厳しい思いをしている家庭に直接の給付金を考えているほか、中小・零細企業で厳しい思いをしている事業者にも一定の額を給付する。今年度の補正予算成立後、できるだけ速やかに直接渡るようにしていきたい。子どもが多い家庭には、児童手当の増額を行う方向で検討している」と述べました。
加藤厚生労働大臣は緊急事態宣言について「人々の暮らし、経済や社会に対する影響を最小限にしながらやっていくことが大事だ。パニックを起こしたり、地方に人が動き始めたりすると、逆に宣言に伴うマイナスの要因になってしまう。マイナスをいかに抑えながら、効果を最大にしていくかを含め議論していくことが必要だ」と指摘しました。
一方、東京都の小池知事は「国家としての決断が今、求められているのではないか。法律に基づく宣言なので、これまでのお願いベースから、さらに一歩踏み出すことができる。都として宣言に向けて準備を進めているし、都民や事業者に事前に準備してもらわないといけない部分もあり、決断がいつなのかを待っている状況だ。国家としての法的なサポートをぜひともお願いしたい」と述べました。
また、感染した人を受け入れる医療体制について「あすの時点で1000の病床の確保を目指すという形で進めている。無症状や軽症の方々が圧倒的に多いが、厚生労働省に自宅と宿泊施設での療養を認めていただき、今週早々にモデルケースとしてホテルを1棟借り、スタートする」と述べました。
政府の専門家会議の副座長で地域医療機能推進機構の尾身茂理事長は緊急事態宣言について「いちばん大事なことは、一般の市民にとって今までと何が変わるのかということだ。今までの生活と同じように散歩やジョギングはできるので、仮に宣言を出すにしてもロックダウン=都市封鎖とは違う」と述べました。
-- NHK NEWS WEB