先月、オーストラリアの港に到着し、下船した乗客などが相次いで新型コロナウイルスに感染していることが確認されたクルーズ船について、警察は、体調が悪かった人たちの検査結果が出る前に乗客全員が下船していることから船側や当局の対応に問題があった可能性もあるとして刑事事件として捜査を始めました。
問題となっているのは、集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」と同じ会社が運航する「ルビー・プリンセス」です。
この船は、先月19日にオーストラリアのシドニーの港に到着し、その際、体調を崩していた人たちを対象に新型コロナウイルスの検査が行われましたが、感染者が少なかったニュージーランドから戻ってきたことから、感染のリスクが低いと判断され、検査結果が出る前におよそ2700人の乗客全員の下船が認められました。
しかしその後、体調を崩す人が相次ぎ、地元メディアによりますとこれまでに乗客・乗員600人以上の感染が確認され、少なくとも10人が死亡したということです。
こうした事態を受けて地元の警察は5日、船側や当局の対応に問題があった可能性もあるとして刑事事件として捜査を始めたことを明らかにしました。
警察は乗客や乗員のほか当局の関係者などから事情を聴いて、当時の船内の状況や乗客の下船が認められたいきさつについて詳しく調べることにしています。
-- NHK NEWS WEB