事業規模が108兆円にのぼる緊急経済対策を実行するため、政府は追加の歳出が総額で16兆8057億円に上る今年度の補正予算案を固めました。年度の当初に補正予算案を編成するのは異例で、必要な財源は全額、国債で賄う方針です。
政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、金融機関の融資や納税などの猶予の額なども含めた事業規模が過去最大の総額108兆円程度となる緊急経済対策を7日決定する方針で、これを実行するための今年度の補正予算案を固めました。
それによりますと、追加の歳出は総額で16兆8057億円となります。
主な政策をみますと、感染拡大の防止や医療体制の整備、治療薬の開発などに1兆8097億円、収入の減少などの影響を受けた世帯や中小企業などへの現金の給付や、企業の資金繰り対策などに10兆6308億円をあてます。
また、感染拡大が収束したあとを見据え、旅行や宿泊、飲食代金の割り引きなど、消費喚起に向けた対策に1兆8482億円を盛り込んでいます。
このほか臨時の支出に備えて、感染症対策に特化した予備費を創設するため1兆5000億円を計上します。
年度の当初に補正予算案を編成するのは異例で、必要な財源は全額、追加の国債の発行に頼ることになり、その額は16兆8057億円にのぼります。内訳は赤字国債が14兆4767億円、建設国債が2兆3290億円としています。
これにより、当初予算と合わせた今年度の国債発行額は49兆円余りに達します。
-- NHK NEWS WEB