東京・葛飾区の5つの町工場が、それぞれの技術を持ち寄って、水中の様子をリアルタイムで確認できる小型の水中探査機を開発しました。漁業などさまざまな分野で使われるよう、町工場ならではのスピード感を生かして、さらに改良を重ねたいとしています。
小型の水中探査機を開発したのは、ゴム製品や光学製品などを製造している東京・葛飾区の5つの町工場です。
空飛ぶドローンの連想で、「ド・ボーン」と名付けられたこの探査機の試作機には、直径およそ20センチの球体のガラスの中に、小型で高解像度のカメラが4つ組み込まれていて、360度の映像をモニターに映すことができ、どんな魚がいるのかなど水中の様子をリアルタイムで確認できるということです。
これまでの実験では、水深2000メートルまでの水圧に耐えられることが確認できたとしています。
滋賀県内の漁協から水質調査ができる小型探査機がないかという問い合わせがきっかけで開発が始まり、およそ半年で試作機を完成させたということです。
ゴム製品の製造会社の杉野行雄社長は「完成までのスピード感は、大手企業にはまねできない町工場の強みで、それぞれの工場が持つ技術を持ち寄って完成させたのも町工場ならではだ。今後もスピード感を生かして、漁業などさまざまな分野で使われるよう、スクリューをつけるなどさらに改良を重ねたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB