就職が内定していた会社の人事担当者からSNSを通じたパワハラを受けて、大学生が自殺したとして、遺族が謝罪や損害賠償を求めることになりました。
遺族の代理人弁護士によりますと、大手電機メーカー「パナソニック」の子会社で、東京 墨田区に本社のある「パナソニック産機システムズ」への就職が内定していた22歳の男子大学生が、入社直前の去年2月に自殺しました。
この会社では、研修の一環として男子学生を含む内定者20人全員をSNSの交流サイトに登録させ、人事担当の管理職は、内定者に対して毎日閲覧し投稿するよう求めていたということです。
管理職は投稿などが入社後の配属先にも影響するとしたうえで、「僕は露骨にえこひいきするからね。なめるなよ」、「丸坊主にして反省を示すか?」などと、みずからも投稿していたということです。
遺族は、これらがパワハラに当たり、その結果、自殺したとして、会社に対して謝罪や損害賠償を求めることにしています。
遺族は「息子は心理的な拘束と圧迫に耐えかね、就職先に絶望して自死してしまいました。それを放置していた会社を許すことができません」などとコメントを出しました。
代理人の川人博弁護士は「立場の弱い内定者へのパワハラやSNSを使ったパワハラについても、規制する法整備を進めていくべきだ」と話しています。
-- NHK NEWS WEB