インドネシアで初めてとなる地下鉄の工事が日本企業によって進められていて、すべての区間でトンネルが完成したことから、23日、ジョコ大統領が現地を訪れて開通を祝いました。
インドネシアで初めての地下鉄は、首都ジャカルタの中心部を南北に結ぶもので、日本の大手ゼネコン各社がトンネル工事を受注し、このほど完成しました。
23日はインドネシアのジョコ大統領が現地を訪れ、トンネルを掘るのに使われたシールドマシンと呼ばれる最先端の機械や、完成したトンネルを視察しました。
ジョコ大統領は「これで地下鉄のすべてのトンネルがつながった。スケジュールどおりにプロジェクトが進むことを願っている」と述べ、ジャカルタの激しい交通渋滞が緩和されることに期待を示しました。
インドネシアでは、おととし、日本との激しい競争のすえ、中国が高速鉄道を受注しましたが、中国側から資金が融資されておらず、工事は着工されないままです。
一方、今回の地下鉄工事には、およそ1200億円の円借款が活用され、車両や鉄道システムも日本の商社などが受注していることから、日本としては技術力や工事を着実に進める能力をアピールして、さらなる受注獲得につなげたい考えです。
トンネル工事を担当した清水建設の大迫一也所長は「インドネシアの人から日本に工事をやってもらってよかったと思ってもらい、さらなるプロジェクトの獲得につなげたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB