アメリカの製薬会社が開発中のエボラ出血熱の治療薬を新型コロナウイルスに感染した患者に投与したところ、人工呼吸器などを必要とする患者のうち、およそ7割の人で改善が見られたとする報告がアメリカの医学雑誌に発表されました。
アメリカの製薬会社が開発中のエボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」は、新型コロナウイルスに感染した患者に効果がある可能性があるとして、人道的な理由から日本や中国など一部の国ですでに投与が始まっています。
日本やアメリカ、ヨーロッパの研究者のグループが、10日付けのアメリカの医学雑誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表した報告によりますと、基礎データが確認された入院患者53人を対象にレムデシビルを投与したところ、68%に当たる36人で改善が見られたということです。
具体的には、重症な患者に使われる気管に管を通す「挿管」が必要な人工呼吸器を着けていた30人のうち、17人が挿管を外すことができたほか、人工心肺装置=ECMOを使用していた患者4人のうち3人がECMOを必要としなくなったということです。
研究グループは「重症患者にある程度の効果があることが示唆される」としながらも、今回の研究では患者のウイルス量のデータが得られなかったとして「効果を結論づけるには各国で行われている臨床試験の結果が必要だ」としています。
-- NHK NEWS WEB