新型コロナウイルスの感染拡大で消毒用のアルコールが不足する中、富山県の酒造会社が代替品として使用可能な高濃度のアルコールの生産と販売に乗り出しました。
この酒造会社は、富山県砺波市の「若鶴酒造」で、13日から、既存の設備を活用し、アルコール度数が77度の高濃度エタノール製品の生産を始めました。
高濃度エタノール製品は、消毒用のアルコールのような医薬品や医薬部外品ではありませんが、同じ濃度のアルコールを含み、厚生労働省は今月10日代替品として手指の消毒に使用可能だとする通知を出しています。
若鶴酒造では、1週間に1000本程度を生産する方針です。発売初日の13日は、砺波市の直営店に、販売開始の1時間前から多くの人が集まり、予定していた50本は、すぐに完売となりました。
職場用に購入したという金沢市の会社に勤める男性は、「消毒用のアルコールはどこにも売っていないので、購入することができて安心です」と話していました。
若鶴酒造の稲垣貴彦取締役は、「酒造会社として何かできることはないかと思って販売を開始しました。多くの医療機関や介護施設から問い合わせをいただいているので、少しでも現場の助けなれば」と話しています。
高濃度エタノール製品は高知県の老舗酒造会社も販売を始めていますが、売り切れの状態が続いていて、消毒用アルコールの不足が続く中、代替品を供給する動きが広がるか注目されます。
-- NHK NEWS WEB