新型コロナウイルスの感染が世界的に広がり、航空便の運航が停止される中、帰国を希望する日本人が1000人以上に上り、このうち厳しい外出制限が続くインドでは、帰国できない駐在員とその家族が食料の調達や現地の医療事情などに不安を抱えながら生活を送っています。
外務省によりますと、帰国を希望する日本人がおよそ60か国に1300人程度いるということです。
このうちインドでは、17日の時点で感染者が1万3000人を超え、3週間以上にわたって全土で厳しい外出制限が続いています。
駐在する日本人の中には、さらなる感染拡大や現地の医療事情の悪さを心配して帰国する人が相次いでいますが、地方都市では国内線の運航がすべて停止されているため首都ニューデリーなどに移動できず、帰国したくてもできない状態となっています。
コルカタにある日系企業でつくる日本商工会の坂井伸一郎会長によりますと、コルカタでは商社やメーカーなどの駐在員とその家族およそ20人が帰国を希望していますが、めどは立っていないということです。
インドでは外出制限が来月3日まで延長され、買い物も徒歩圏内に限られることから、家庭にある食料品などが底をついてしまうことや、感染のリスクに不安を抱えながら生活を送っていて、日本商工会は日本政府などに対し帰国の手段の確保を求めています。
坂井会長は「医療事情の悪さから、何かあっても現地の病院にはかかれないというのが駐在員の共通認識になっている。この状況下で不安に思っている人は非常に多い」と話しています。
-- NHK NEWS WEB