新型コロナウイルスの感染拡大でアルコール消毒液が不足する中、厚生労働省が消毒液の代わりに使用することを認めているアルコール濃度が高い酒が、インターネット上で高値で転売されるケースが相次いでいます。国税庁は無免許での転売は法律に違反する可能性があるとして、監視を強化しています。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために必要なアルコール消毒液は、供給が追いつかない状態が続いていて、厚生労働省は医療機関などがやむをえない場合に限り、酒造メーカーが造るアルコール濃度が高い酒などの「高濃度エタノール製品」を、消毒液の代わりに使うことを認める通知を出しています。
これを受けて各地の酒造メーカーが「高濃度エタノール製品」の販売を始めていますが、インターネット上のフリマアプリやオークションサイトで、定価の2倍から3倍の高値で転売されるケースが相次いでいます。
酒の販売業を営むには酒税法に基づく免許が必要になりますが、国税庁は無免許の個人が多くの商品を購入して転売した場合には法律に違反する可能性があるとして、監視を強化しています。
今月から高濃度エタノール製品の販売を始めた富山県砺波市の「若鶴酒造」の稲垣貴彦取締役は「転売で利益を得ようとする人が出てくるのは非常に残念だ。医療機関など、本当に必要な人に届けたいというのが私たちの思いだ」と話しています。
-- NHK NEWS WEB