日銀の黒田総裁は追加の金融緩和を決めた金融政策決定会合のあとの記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で景気は厳しい状態が続くという認識を示し、中央銀行として「できることは何でもやる」と述べ、あらゆる政策を総動員する姿勢を強調しました。
この中で黒田総裁は「新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済は急速に落ち込んでいる。収束に向かうまで経済活動の抑制が続くと予想され、わが国経済は厳しい状態が続くとみられる」と述べました。
また、企業の状況については、「中小企業・大企業問わず2008年のリーマンショックの時より資金繰りは厳しい」と指摘しました。
そのうえで、「非常に危機的な状況で、中央銀行としてできることは何でもやる」と述べ、さらなる金融緩和も含め、今後もあらゆる政策を総動員していく考えを強調しました。
一方、今回の会合では低い金利で潤沢に資金を供給するため国債を積極的に買い入れる方針を打ち出し、年間80兆円をめどとするというこれまでの上限をなくしました。
黒田総裁は「感染拡大が収束したらすぐにやめるということにはならない。当分の間、必要なだけいくらでも買う」と述べました。
-- NHK NEWS WEB