新型コロナウイルスの感染を確かめるPCR検査を行う長野県の検査会社がNHKの取材に応じ、現状では検査依頼に対応できているとしたうえで、今後、検査数が急増した場合、中小の検査会社では物資の確保や人手不足で対応が難しくなる可能性もあると話しました。
長野県と埼玉県に検査所を持つ「ミロクメディカルラボラトリー」は、3月から新型コロナウイルスのPCR検査を請け負っていて、契約を結んだ長野県や茨城県の病院などで採取された検体の検査を行っています。2か所の検査所で1日に合わせておよそ100件の検査を行う態勢を整えていますが、現状では依頼は1日におよそ30件程度だということです。
しかし、今後、検査数が急増した場合、中小の検査会社では必要な物資の確保に時間がかかったり、人手が不足したりして対応が難しくなる可能性があるということです。鼻から検体を採取するときに使う棒や、検体を運ぶための液体、それに検査に必要な試薬の需要が各地で高まっていて、メーカによっては手に入れるまでにおよそ3週間かかるものもあるということです。
また、検査に使う機械を増やすために今月中旬に注文したところ、納品は5月下旬になると言われたほか、検体を病院から検査所に輸送するのにも手間がかかるため、中小の検査会社にとっては契約を結ぶ病院をなかなか広げられない事情もあるといいます。
社長の玉井清子さんは「検査の依頼はまだそんなに多くはありません。検査を受けられない人が多くいる状況をなんとかしたいと思い、需要が多い東京などほかの地域からも受託できないか検討している」としたうえで、「PCR検査自体、時間と手間がかかるもので、検査技師の不足や機械や物資などの納入に時間がかかっているので、思うように進まないのが現状だと思う。数だけにこだわらず、必要なときに必要な検査ができるようにどのように判断していくかが大切だと感じる」と話していました。
-- NHK NEWS WEB