緊急事態宣言を政府が延長する方向で調整を進めていることについて、臨時休業や食品フロアのみの営業を続けるデパート各社は、政府の正式な決定を受けて今後の営業方針を検討することにしています。ただ、全国のデパートの先月の売り上げは過去最大の落ち込みになっていて、休業期間がさらに延びることになれば業績への影響は一層深刻になるおそれがあります。
大手デパートの三越伊勢丹、大丸松坂屋百貨店、高島屋、阪急阪神百貨店、それに、そごう・西武では緊急事態宣言が出たことに伴って、店舗によってはおよそ1か月にわたって全館での臨時休業や食品フロアのみ営業する対応を取っています。
このため各社とも売り上げに大きな影響が出ていて、日本百貨店協会によりますと、全国のデパートの先月の売り上げは去年の同じ月に比べて33.4%減少し、過去最大の落ち込みとなりました。
また、今月前半の売り上げは、全国の主な店舗を対象にした調査で去年の同じ時期を65%ほど下回り、落ち込み幅が一段と拡大しています。
一部の食品フロアのみで営業を続けている東武百貨店は、政府が緊急事態宣言を延長した場合、今の形での営業を続けることを決め、ほかの大手デパート各社は政府の正式な決定を受けて、今後の対応を検討する方針です。
ただ、宣言が延長され、臨時休業の期間がさらに延びることになれば、業績への深刻な影響は避けられそうもありません。
デパート業界の関係者は「これ以上休業の期間が延びると、従業員の雇用をどう守っていくか、真剣に考えないといけない。1日も早い収束を願うしかない」と話しています。
-- NHK NEWS WEB