新型コロナウイルスの感染拡大の影響で経営が悪化しているアメリカの航空機大手ボーイングは、大規模な人員削減に加え、787型機や777型機などの旅客機の生産を減らすことにしています。こうした旅客機の生産には日本のメーカーも多く関わっており、すそ野の広い航空機産業の停滞は日本経済にも影響を与えそうです。
ボーイングは29日、先月までの3か月間の業績が2期連続の最終赤字になったと発表しました。
これは、2度の墜落事故で業績が悪化していたところに、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で航空需要が大幅に減少し、追い打ちを受けた形です。
電話会見で、経営トップのカルフーンCEOは「航空産業が去年の状態に戻るのに、2、3年。再び成長するには、さらに数年かかる」という厳しい見通しを示しました。
そのうえで、16万人の従業員の10%の人員削減のほか、「トリプルセブン」と呼ばれる777型機や、787型機など商業旅客機の生産を減らす方針を明らかにしました。このうち787型機は全体の35%に日本企業が関わっています。
胴体部分を手がける日本の川崎重工業や、ボーイング向けの部品を提供するSUBARUも主力工場の操業を来月初めまで停止することにしていて、影響が長期化することも予想されます。
ボーイングとシェアを二分するヨーロッパのエアバスも経営不振に見舞われていて、すそ野の広い航空機産業の停滞は中小企業も含め、日本経済に影響を与えそうです。
-- NHK NEWS WEB