緊急事態宣言の裏で、職場が以前にも増して“3密”状態になっていると訴えている人もいます。
愛知県内の物流倉庫でパートとして働く42歳の女性は、通販サイトで注文された商品を倉庫から取り出し、こん包して発送する仕事を担当していますが、外出自粛や通信販売の活用が呼びかけられたことで、扱う商品の量が3倍から4倍に増えました。
トイレットペーパーや塩素系の漂白剤などの日用品のほか、自宅で子どもたちと過ごす家庭が増えたこともあってか、折り紙や粘土板など、これまではあまり注文のなかった商品も出ているということです。こうした需要に対応するため、作業する従業員が増やされ、特にこん包作業をするときは10畳ほどのスペースにそれまでの2倍の10人ほどが作業しているということです。
隣の人との距離は1メートル余りしかなく、腕がぶつかることもあるくらい密集した状態だということで、感染のリスクが増していると感じているといいます。
女性には小学6年生の子どもがいますが、会社からはこれまで以上に出勤してほしいと言われ、やむなく子どもを1人家に残して働いています。
女性は、「感染のリスクが高まっていることに不安を感じますし、子どもを家に1人残し寂しい思いをさせていることも心配です。一方で商品を必要としている人がいて物流をとめるわけにはいかず、私が休めば、ほかの人に負担がかかってしまうので、葛藤の中で働き続けています」と話していました。
そのうえで、「利用者の方にはなるべくまとめて注文するなど、配慮してもらえるとありがたいです」と話していました。
-- NHK NEWS WEB