新型コロナウイルスの感染拡大で都市部で人通りが少なくなり、路上で生活する人たちが収入源としている雑誌の売り上げが半減していることから、会社は生活に困窮する人たちに緊急に現金の支給を始めました。
雑誌「ビッグイシュー」は、路上で生活する人たちが街角で1冊450円で販売することで230円を受け取ることができるもので、1991年にイギリスで始まり、日本では平成15年に創刊されました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で全国で外出の自粛が呼びかけられたことで、都市部で人通りが少なくなり、売り上げは去年の同じ時期と比べて半減し、販売する人たちの収入が激減しているということです。
こうした状況を受け、会社は60人が雑誌の収入のみで生計を立てていることから緊急に現金を支給することを決めました。
30日、東京 新宿区にある事務所には対象となった人たちが集まり、5万円を受け取っていました。
この給付金は今月から始めたオンライン購読の売り上げの一部を充てているということです。
現金を受け取った西篤近さんは「まとまったお金が入るのは気持ち的に安心で穏やかでいられます。これまでの世の中に戻って、雑誌を売ることができるよう望んでいます」と話していました。
担当者の佐野未来さんは「さまざまな背景により公的支援を受けられない人たちがいる。事態の長期化が与える影響は大きく不安は尽きないが、購読してくれた人に感謝しています」と話していました。
-- NHK NEWS WEB