国内で初めての新型コロナウイルスの治療薬「レムデシビル」が7日に承認されました。流通量が限られ、重大な副作用が生じるおそれもあるということで、重症患者に限定して投与する方針です。
新型コロナウイルスの治療薬として承認されたのは、アメリカの製薬会社「ギリアド・サイエンシズ」が開発した「レムデシビル」です。
「レムデシビル」はエボラ出血熱の治療薬として開発が進められてきましたが、新型コロナウイルスの治療にも効果が期待されていて、アメリカでは今月1日、重症患者に対する緊急的な使用が認められました。
日本国内でも今月4日に製薬会社から申請されていて、厚生労働省は審査を大幅に簡略化する「特例承認」の制度を適用し、7日夜、申請から3日という異例の早さで、国内で初めての治療薬として承認しました。
投与の対象はアメリカと同じく重症患者に限定され、「ECMO」と呼ばれる人工心肺装置や、人工呼吸器を使っている人などとされています。
厚生労働省によりますと、患者の自己負担は発生しない見通しです。
一方で、重大な副作用として腎臓や肝臓に障害が生じるおそれがあるということで、提供を受けたすべての患者について引き続きデータを集めるとしています。
世界に向けて当面、14万人分が供給される見通しですが、このうち日本に提供される量や時期はまだ決まっていないということです。流通量が限られることから、当面は国が管理し、重症患者の治療にあたる医療機関に優先して提供する方針です。
-- NHK NEWS WEB